2018年3月16日金曜日

モトジムカーナ(須藤元気プロデュース)が来たぞ


年イチ更新にすらならないのは、ジムカーナをやっていないから! 

2016年のジムカーナは、4月のなんとか練習会の後は12月のパワーバンド練習会に参加したのみ。もうブランクというより乗っていないに等しいにもかかわらず(バイクは仕事や日常の移動で毎日乗ってるけど)、借り物のSS車両でポンコツなパワーバンドBケンタは下し、当日参加のC1選手は一名以外全部潰し、安定の引退老害選手ぶり。
そのあといっぺんだけアドレスV125で事務茶屋杯に出て、117%だっけ。

そんなこんなで毒も抜け灰汁も抜け、抜く鼻毛の白髪率が50%を超えた2018シーズン、モトジムカーナ業界に新たなる動きがありました。

我々の知らぬうちに元格闘家の須藤元気さんがHMS(ホンダモータースクール=俗称綺麗なジムカーナ選手養成所)にハマりまくり、ならばご自身がプロデュースで新たなる魅せるジムカーナの競技を立ち上げてやんべよーということで、バイク用品大手のナップスを協賛に掲げ、告知を打ってきたのです。

どーん
どどーん

須藤元気と言えば、ブリーズライト(鼻シール)とバックブロー、そして派手な入場演出と、トリッキーな動きなのに締めは超マニアックでテクニカルなグラウンドで、正統派で真面目な格闘家は退屈するというひねくれ格闘ファンに熱い支持を受けていた男。ブリーズライト、あれカッコいいなと思って、真似したっけな。コンセントレーション高まる!とか言って。でも俺は鼻脂がリチウムグリスぐらいなので、結構はがれた。まあそれはどうでもいい。

そんな須藤選手、現役時代はほんとめちゃくちゃな人でした。ゴングなってからロープに乗るし、対戦相手に背中向けるでしょ。しかも背中向けて歩いてケツ蹴られるでしょ(魔裟斗相手にマジそれやった!)。特に試合の序盤はリングで踊ってるみたいに見える(判定かかる展開になると少し封印されるのが好きだった)ある意味内藤大助以上に妙な動きで「変幻自在」って言われてたけど、そんなこんなの内に淡々と相手の隙を観察し、一気に相手を地面に引きずり込んだら、その後はもうなにやってっかわかんねーけど相手関節極ってタップタップ(涙)みたいな劇的技巧展開!!!

その一方で、格闘技の一貫だといって将棋やったり哲学書読んだり四国をお遍路したり、どこまで番組演出かわからないにしても、いわゆる競技やったら24時間そのための何かを考えている、みたいな紹介のされ方をしていた選手です。

そんな須藤さんがジムカーナという地味マニアックな競技に興味を持ったのは、現役時代のあのグラウンドと対戦相手への探求なんかを見る限り、ある意味必然だったようにも感じるのですが、その半面で須藤選手は派手演出も信条とした男。そんな彼が現状の地味ジムカーナにそのまま参戦せずに自身で競技を企画しようとしたのも、また必然だったと思います。

そして掲げた冠は、新たなるジムカーナ=モトジムカーナ!」。
ドーン!!

えーと、モトジムカーナ。この言葉は、数年前に既存のシリーズ戦の模様を海外に紹介していこうという映像ツールを作った際に、四輪や馬の競技と差別化するためのアイコンとして作ったワードだった筈だし、なんなら言い始めたのはウチのチームの歯檻だった気がする。そしてなんか地味ダサい「ぼくらのおーとばいうんどうかい」みたいなノリの昔のジムカーナのイメージを払しょくしたい選手たちが積極的に使おうとしている空気感のあるワードだったような~……ってところで、現シリーズ戦に参戦する現役モトジムカーナ選手たちは「え?」ってなった

なったんだけど、ぶっちゃけそんなことはどうでもよくねえ!?

 須藤企画のモトジムカーナは、観客が見て分かり易いジムカーナということで、観る側からコンセプトを詰めてきました。ツインコースの一騎打ちによるトーナメント戦を採用、出場選手のビジュアル統一として現ジムカーナで悪評高かったあのダサいよだれかけ(胸掛けゼッケン)を廃止、プロのMCやゲストも招いてのイベント進行ってことは、現ジムカーナの大会会場でどうにも辛抱たまらんだったあの80年代Jポップもかからないってことです! ジッタリンジンが聞ける21世紀のモータースポーツとかどうなのって云う問いに切なくトランポ蹴る必要もない。

 もうね、本音いうと、それって凄く大事なことなんです。そういう試みを一度でもしてくれるってことだけで、これまでバイク乗り界隈に「こびり付いていた」ジムカーナのイメージ=昭和臭=なんかマニアック過ぎて薄汚いバイクのねんおしゃ知恵袋中高年がいるっぺよ的悪印象の払拭と、参入障壁の瓦解に繋がる。
※俺は昭和生まれで昭和が好きでしたが、今はエヴァ終わって20年、バリマシ創刊から32年ですよ。

確かに、新しくモトジムカーナという競技を始める!っていわれたらカチンとくる人がいるのは分からんじゃない。
会場となる大磯ロングビーチの駐車場は、多分競技で限界を極める路面じゃない。
ツインコース一騎打ちは厳密なイコールコンディションじゃない。
一日にさばける選手数も絞られるから、実際今回は80人選考になった。
この人数しかさばけない形だと、この形式の競技開催のみでは競技人口の増加に寄与し辛い。
最終的に競技性よりイベント性が優先となると、既存のジムカーナ競技のガチ選手は第二回第三回と継続エントリーはしないと思う。


 けど、僕は今回の須藤企画ジムカーナが、モトジムカーナの強力洗浄剤みたいに機能して欲しいと思っています。カネヨンとかジフみたいな洗浄剤(なぜ昭和?)として、既存のジムカーナにこびり付くイメージや固定概念を洗い流して、洗剤としては汚れとともに流れちゃったとしても、そのあとに別のモトジムカーナが残るみたいな形を、俺は期待してならないのです。

引退してつくづく思うけど、そのぐらい既存のジムカーナに対するイメージって悪いし、洗い流さなければならないものがある。それについて選手サイドが何を言っても、頑なに変わって来なかった。それどころか競技性の高さを信じて切磋琢磨してきた選手を、路面問題やタイヤ縛りなどで、ある意味で裏切り続けてきた。
いわゆるジムカーナは「競技なのか」「安全運転講習の延長なのか」論争においても、主催と選手の距離は縮まらなかった。
裏切り的に感じたのは主に俺が引退したあとの話だけど、そんなこんなの状況がようやく変わるのかも……って思うとおっちゃん感慨深いよ。

以上、あくまで個人の引退老害選手の言葉だけど、そんな意味で産廃は今回の須藤企画モトジムカーナに期待をしています。もし願うことがあるなら、洗浄剤として現状のジムカーナを洗い流した後に、既存のジムカーナの「0.1秒のタイム差も偶然ではなく実力」と言い切れるレベルの競技性の高さは残って欲しい。その競技性の高ささえ担保されれば、モトジムカーナがどんな形の競技になっていこうと、選手はついてくると思いますそこが一番難しいし、先鋭化すれば競技人口は減るって声も常にあるけど、そこだけは確保してくれ!というのがOBの願い。

で、とりあえず引退老害選手の産廃は仕事とツーリング兼用機の下駄マシンW650でエントリーし、選考に受かってしまいました。
恐らく予選敗退なので、1分ちょっと走って終了ということになると思う。
ので、その1ヒートを最大限エキサイティングに楽しむために、ただいま現役選手との私闘(ハンディキャップマッチ)を受付中です!

!!!お前ら俺の喧嘩を買え!!!

詳しくはツイッターでw