2012年6月4日月曜日

XR650Rの競技車両としての可能性


可能性、あると考えています。

現在競技ジムカーナの世界では、C1シードまで楽に上がれるマシンとしてDRZ400SMの選択が非常に多く、A級B級では四国の篠原選手が旋風を起こしたハスクバーナ450SMをチョイスする選手が増えています。

対するXR650Rですが、数字上で重さとパワーを見る限り、十分な戦闘力を持っているように思えます。大排気量のシングルは低回転からトルクを発揮してくれるために、挙動が穏やかで、あまり練習時間をとれない自分とのシンクロにも期待が持てます。現在文句なしの最速モタードジムカーナ競技者である吉野選手は、現在のCRF450Fを持ち出す前に、空冷のXR600Rで戦ってA級に昇格した実績があります。
650RでB級以上という選手はいませんが、SRXでC1もいませんでしたし、TYZMはジムカーナ競技界初の4stモンスターミニでした。自分が投入した時点で、現在NSR50フレームにCRF250Xエンジンで戦う角谷選手はまだNSR150EG仕様でやっていて、自分は方々から「走らない」「走れない」「フレーム折れる」と散々言われましたが、チーム員を骨折送りとかにしながらも自分レベルでは戦えるマシンになりました。やたら身体を使うので体格が変わってしまったりしましたが、人間の変更で済むならただです。すくなくともXRはモタードというカテゴリーであって、前人未到でもないし。

また、モッサーEGのTYZMは離陸マシンで、フライホイールを倍に重量化しても、まあ2~3mで竿までもっていけるマクレちゃんでした。が、そのクイック極まりない挙動をボディワークで制御するのが難しく、また麻薬的なマシンでした。鷹揚、かつ扱いやすいトルクというのはこの対極で、ジムカーナの王道「尖ったマシンは戦えない」を体現するものじゃないかと思います。

そういう尖ったのが大好きだったわけですが、結果がペナに泣き続けたTYZMの1年半ちょっとですから、もう大人になれよと誰かに言われた気がします。ていうかみんなに言われてますが。うるせー。

一方で、ノーマルキャブにEXの組み合わせでこの性能というのも、非常に魅力的です。レーサーEGとはいえ、吸排気のセッティングについては、ノーマルDRZに毛が生えたぐらいの手間と考えます。SRX時代は年に1回EGを作り直して後1ヶ月はキャブセットに費やしましたし、TYZMでは結局最後まで「毎週同じセッティングで走る」ところまでもっていけなかった(ファンネルだったせいもある)ことを考えると、純粋に練習のみに集中できるのは、本当に助かります。
ジムカーナは足回りのセットアップが非常に大事な競技ですが、キャブが決まらないと足が決まらず(キャブで暴れるマシンはどうしても足でモーションを減衰したくなってしまう)、ここで悩むのはものすごい楽しいのですが、ものすごくマゾヒスティックで遠回りなのです。

650Rにおいて、最大の問題は、その車体のドデカさです。まずはこれをどうするのかが、課題になりそうです。

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